リラクゼーションセラピストは最初に必ずお客さまにヒアリングをしますが、「背中がつらい」「腰が痛い」「肩がだるい」「首が回らない」など、いろいろな表現でお客さまは訴えてきます。
セラピストはそれを聞いて、お客さまのつらい場所が本当に理解できていますか?
お客さまの「背中」とセラピストの「背中」は一致しない
お客さまから「背中がつらいのでお願いします」と言われた時、どの部分を言っているのだと思いますか?ちょうど胃の真裏くらい?肩甲骨の下のラインあたり?腰のだいぶ上くらい?
わたしは自分で「背中」と言う場合は、肩甲骨の下のラインあたりだと思っています。それより上にくると「肩」と呼べる範囲になってくるし、それより下になると「腰」と呼べる範囲になると思うから。
ですがお客さまはどうでしょうか。わたしと全く同じ感覚のお客さまならいいですが、大概はみなさんそれぞれ違います。背中って言われてたのに、「もうそこって肩甲骨の上角やん」と内心思ったことはないでしょうか?
肩、背中、首、腰、足、頭、これらすべて、お客さまの感覚とセラピストの感覚がぴったり一致することはほぼありません。
お客さまのニーズはヒアリングだけでは分からない
お客さまの感覚とセラピストの感覚が一致しない以上、ヒアリングだけでは不十分。じゃあどうしたらいいのか。
まずはしっかりヒアリングした後で、場所の確認のため「実際にお客さまの身体を触って」再確認します。そのときに「あーもうちょっと上の方」とか言ってくれますので、それをよく覚えておく。
そしてベッドに寝てもらったときにもう一度、「ここら辺ですね」と確認するとベスト。寝るとちょっとだけ位置が変わるので、施術する体勢で再度確認するとお客様との感覚のズレがなくなります。
セラピストからの提案は信頼関係ができてから
場所が確認できたら、そこを多くやってあげる。セラピストの経験から「ここがつらい場合は、少し離れたここを圧しておくとほぐれやすくなるな」とか思ったとしても、我慢です。お客さまはつらい場所をたくさんやってほしいんです。
最初はつらいところをたくさんやってあげて、お客さまが「このセラピストなら任せて大丈夫だな」と思ってもらえたら、そこからはセラピストから提案する番。
信頼関係ができていないうちから、あーだこーだと理屈を並べたところで「いやいや、しんどいところを長めにやってくれたいいから」と思われるだけ。
ちなみに信頼関係ができたと分かるタイミングは、「次はどのコースががいいでしょうか?」とか「どのくらいの周期で来たらいいですか?」とか「次もお任せします」など、こちらに判断を委ねるようになったときです。
やってほしいところを確実にしっかり長めにやってくれるセラピスト。
これだけでお客さまの満足度は上がるので、ぜひやってみてください。