リラクゼーションセラピストなら、
「わたしの身体かたいですか?」
「そこ辛いんです。結構かたいですか?」
と、お客さまから聞かれたこと、絶対にありますよね?
セラピストからすると、「かたいから来てるんでしょ〜」とか「うーん正直そんなにかたくないけど、かたいって言っておこうかな」とか思っていませんか?
今回は、「わたし身体かたいですか?」と聞かれる理由と、セラピストの答え方をお伝えします。
お客さまがセラピストに「かたいですか?」と聞く理由
セラピストと違ってお客さまは、自分以外の身体を隅々まで触る機会なんてそうありません。特別なお仕事をされていない限り、比べるものがないので「自分の身体=多分普通くらい」ぐらいに思っている。
だからちょっと肩が痛くなったり腰が痛くなったりすると、「肩や腰がいつもよりかたくなっているんじゃないか」と思ってセラピストに聞いてきます。だから「かたいですよ」とか言われたら「やっぱり!」となるんです。
そりゃそうですよね。今の時代、他人の身体をちょっとでも触ったら色々と言われてしまいますし、日本にはハグとかの文化もないし、名刺交換はしても握手はしないですからね。
お客さまは自分以外の身体を触る機会がほとんどないので、比べる選択肢が少なすぎて「わたしの身体かたいですか?」と漠然とセラピストに聞いてきます。
身体かたいですか?と聞かれたときのセラピストの答え方
そこで単純に「かたいですよ」と答えるのもいいですが、 「お客さまは自分以外の身体を触る機会がほとんどない」ことを踏まえて考えてみると、もっと伝わりやすい言い方があるはずです。
比べるものがない人に対して「かたいです」と言っても、何と比べてか分からないですし、「セラピストが施術したお客さまの中ではかたい方」だったとしても、お客さまはそんなの分かるわけないですしね。
ここでわたしなりの答え方ですが、2つのレベルでお答えすることにしています。肩がつらいお客さまだとしたら、
・お客さまの身体の他の部分と比べた場合の、肩のかたさのレベル
・わたしが今まで担当した全てのお客さまと比べた場合のレベル
この2つを伝えます。
まず、「お客さまの身体の他の部分と比べた場合」の肩のかたさのレベルとは、たとえばお客さまの腰部と肩周辺のかたさを比べる、ということです。
「腰から下の筋肉のかたさは、10段階で言うと5くらいで普通ですが、肩甲骨から上は8〜9くらいです。ほら、この辺りは9くらいですよ」と、押しながら教えてあげると分かりやすい。
ちゃんと自分の身体の状態が分かっているお客さまはごく稀なので、「え!そこそんなにかたくなっているの!?」と大概はびっくりされます。「触ってみたら分かるやん」と思ってしまいますが、大抵のお客さまは「とにかくそこら辺がつらい」としか思っていないしチェックもしていません。
そして次に、「わたしが今まで担当した全てのお客さまと比べた場合」のレベルもお伝えするようにしています。
これはセラピストにしかできないことで、「このリラクゼーションサロンにいらっしゃる全てのお客さまを10段階(5が普通)でレベル分けした場合、◯◯様は4くらいです」と言ってあげると、「えっ!これでもまだマシな方なのか」となりますし、「9です」と言うと「えー!思ってたよりひどいのか」と分かってもらえます。
これは、自分の身体の状態を客観視してもらうことが目的でもありますし、セラピストからのアドバイスをしっかり聞き入れてもらう為でもあります。結構やわらかいのにすごく悩んでいる方もいれば、めちゃくちゃかたいのに自覚されていない方もいますから。
ですが、アドバイスなしにレベルだけ言うのはやめてくださいね。きちんとアドバイスしてあげるのとセットで、教えてあげてください。