リラクゼーションセラピストなら、自分が無意識に施術したときの力加減がどれくらいなのか、だいたい分かっていますよね?
指が細いとか太いとか、体重が軽いとか重いとか、親指の関節が曲がりやすい(いわゆる寝指)のか曲がりにくい(立指)なのか。これらによって、同じ施術をしているのに受け手の感じ方はまったく変わります。
こういった自分の施術のクセを理解して、お客さまに合わせていくのがリラクゼーションセラピストのお仕事ですが、たまにセラピストが勝手に力加減を決めつけている場合があるんです。
男性は強めで女性は弱めだろうという思い込み
たしかに男性は女性に比べて「強め」を希望される確率は多いかもしれませんが、セラピスト側がお客さまの性別でだいたいの力加減を決めつけてしまい、そのまま施術するというのがよろしくない。
だいたいの当たりをつけるのはいいとは思いますが、どんな当たりをつけたにしろ最初はやや弱めの力加減でスタートし、筋肉の質や状態を指で感じ、お客さまに確認しながら力加減を探っていくのがベスト。しかも場所が変われば再度確認が必要です。
自分がお客さまとして施術を受けに行ったとき、口では「力加減いかがですか?」と聞かれていても、だんだん力加減が強くなったり弱くなったりした経験ありませんか?
これはセラピストが力加減を聞いているようで聞いていなくて、「女性だし、だいたいこれくらいでいいだろう」などと無意識に思われています。
体格が大きい方は強めでも大丈夫だという思い込み
これもあるあるですが、体が大きいからといって強めがいいとは限りません。
体が大きかろうが小さかろうが、細かろうが太かろうが、すべて前述した通り「最初はやや弱めの力加減でスタートし、筋肉の質や状態を指で感じ、お客さまに確認しながら力加減を探っていく」。これしかありません。
もうね、最終的にはお客さまに確認する以外方法はないんです。いくらセラピストが固定概念なしで「これくらいがベストだろうな」と指で感じて施術したとしても、お客さまが納得しているとは限りませんからね。
でも…このセラピストの思い込みは自分が思っている以上に根深いもので、結構無意識にやっちゃっていることがほとんどです。
実際わたしもずっとそうで、「これくらいしないと効いている感じしないだろう。せっかく来てくれたんだし!」と思い込み、結構グイグイやっていた時期がありました。そしてたまーに「あとで痛くなって…」とか言われる時がありましたが、それでもまだその時は気づかなかった。それくらい根深いです。
お年寄りの力加減は十分に注意する
とはいえ例外もあります。いくらお客さまが強めの施術を望んだとしても、セラピスト側で十分注意しなければいけないのがお年寄り。
お年寄りは若い方に比べて痛覚が鈍くなっている可能性があり、しかも骨も若い方に比べてもろくなっていることが多いので、どれだけ「もっと強く」と言われてもセラピスト側で判断していい。コミュニケーションを取った上で、コースの時間を短くしたりするのもいい。
しっかりとコミュニケーションをとって施術をする、というのは若い方と変わりません。しかもお年寄りは、一度しっかり信頼関係を築けるとずっと信用してもらえますよ。
わたしは絶対弱めで施術されてしまう
こんな記事を書いているのも、実はわたしがお客さまとしてリラクゼーションサロンにいくと、確実に弱めで施術されるんです。
でもね、わたしは足裏は結構強めが好きだし、下半身も結構グイグイやってほしい。でも上半身は普通くらいが好きなんです。
なのに見た目が細くてさらに女性だからなのか、特に男性のセラピストさんに当たると100%弱めで施術されてしまいます。とほほ。
わたしははっきり「もう少し強めでお願いします」とか「そこらへんはもう少し弱めでお願いします」とか言っちゃう方ですが、ほとんどのお客さまは言えません。
自分がこういう目に合っていても、自分が施術する立場になるとなかなか思い込みって取れないもので…気をつけます。